VOICE
オリンピック競技引退後
模索したセカンドキャリア
2023年入社
N・Kさん

新しい道を探し続けた先に
私は、オリンピックに3度出場した元トライアスロン選手です。幼い頃から走ることが好きで、競技を始め、気づけば世界の舞台に立っていました。
でも、どんな競技者にも「引退」は訪れます。私も例外ではありませんでした。
現役を退いたとき、正直なところ、これから何をして生きていけばいいのか、まったく分かりませんでした。大会のゲスト出演や解説の仕事の話もありましたが、それだけで食べていけるわけではないし、何より「スポーツの世界だけで生きる」のが少し嫌だったんです。
履歴書に書けるような経歴もないし、「だったら、とにかく興味のあることは何でもやってみよう!」と思い、いろんな仕事に挑戦しました。
たとえば、オリンピアンだとバレないように、こっそり着ぐるみのアルバイトに応募してみたこともありました。でも、不合格でした(笑)。その後は、2トントラックを運転して雑貨を配達したり、トライアスロンクラブのヘッドコーチをやったり、会社員になったり……。でも、どこかに縛られるのが苦手な私が最終的にたどり着いたのが、「GOCrew」という働き方でした。

「運転」という意外な選択肢
仕事にチャレンジする中で、「もしかして、私、運転の仕事って向いてるんじゃない?」と思い始めました。
地図を見るのはもともと好きでしたし、スムーズな運転を心がけるのも楽しい。タクシーの仕事って「ただ車を運転するだけ」じゃなくて、どうしたらお客様に快適な移動を提供できるかを考えながら働く仕事なんですよね。それが、どこかトライアスロンのレース運びと似ている気がしたんです。
そうして出会ったのが、ハロートーキョーの「GOCrew」。タクシー業界の中でも、時間の融通が利いて、自由度が高いのが魅力でした。「これなら、コーチ業と両立できるかも!」と思い、すぐに飛び込みました。

「おもてなし」を磨く日々
私は運転するうえで、お客様にとって“快適な移動”であることを一番に考えています。ブレーキや発進のタイミングはスムーズさを意識し、急な揺れがないように。道を覚えるのも楽しい作業で、「この道は混みやすいから、次はこっちのルートを試してみよう」なんて考えるのが、ちょっとゲームみたいで好きなんです。
「庭田さんの運転はとても慎重で、気配り、心配りがあって、どういうルートがお客様にとって最適かを日々研究している。彼女はこの仕事に本当に向いています」
そんなふうに仲間に言ってもらえると、「もっと頑張ろう!」って思えますね。
オリンピアンの運転にはお客様もびっくり
慣れていくにつれて、お客様とちょっとした会話をする機会が増えました。最初は緊張しましたが、今ではそれも楽しみのひとつです。
たとえば「ドライバー仲間には俳優もスポーツ選手もいます」と話すと、驚かれることが多いですね。そこで「実は私もトライアスロンをやっていて、オリンピックに3回出場しました」と伝えると、「えーっ!」とびっくりされます(笑)。
「今日はオリンピアンの運転に乗せてもらえてよかった!」と言われると、なんだか誇らしい気持ちになりますね。もちろん、運転そのものが大事な仕事なので、競技経験とは関係なく、快適な移動を提供できるように心がけています。でも、こうしてちょっとした会話をきっかけに、お客様との距離が縮まるのは嬉しいですね。

メディアに取り上げられる喜びと責任
自分が競技以外でメディアに取り上げてもらえるなんて思っていなかったので、最初は驚きました。でも、素直に嬉しいですね。
やっぱり注目してもらえると、「もっといい運転をしよう!」っていうモチベーションになりますし、「GO Crew」の魅力を伝えられるのも嬉しい。
私は「オリンピアンの庭田さん」と言われるより、もっと普通に生きたいんです。別にえらいわけでもなんでもないし、人間的には本当にしっかりしていないダメ人間で……ちょっと自慢できるとすれば、面白いところくらいですから(笑)。